印象派の描く東洋人

こんにちは、アランチャの梅浦です。

クロード・モネ
モネ、風景を見る眼ー19世紀フランス風景画の革新展
が上野の国立西洋美術館で3月9日まで開始中しています。

午後に出かけたのですが館内は人で溢れてました。
お勧めは金曜日の遅い時間だそうです。午後8時まで開館しているのでゆっくり観られるそうです。

館内は熱気に包まれていてモネの相変わらず人気の高さが伺えます。
モネの作品でないのですが、日本人女性を描いた作品が非常に印象的でした。

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エドモン=フランソワ・アマン=ジャン「日本婦人の肖像(黒木夫人)」油彩、カンヴァス 1922年

印象派のような色使いを真似て模写をし、次に自画像や日本人のモデルを描くと似たような雰囲気にならない。それは描かれる対象がずいぶんと違うからで。印象派の描くモデルはブロンド色の髪の毛に、ブルーのビー玉のような目、透き通るような白い肌の女性。日本人はしっとりとした黒髪に黒い目、肌のトーンも違うからだと思っていたのですがアマンの描く日本婦人の肖像はまぎれもなく印象派の描く女性でした。印象派独自の色彩の中でしっかりと立っている。西洋の絵画の中で東洋人が描かれていること自体珍しいので何かそそられる作品でした。

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松方 幸次郎

アマンの作品に東洋人が登場するのはモネのパトロンとしても有名だった川崎造船所の社長、松方幸次郎の存在が大きい。彼は美術収集家としてそのコレクションは松方コレクションとして名高く、彼のコレクションの一部が基礎となり、今の国立西洋美術館が出来ています。大学はソルボンヌ大学を卒業しているので印象派の画家達が躍動するパリの空気をじかに吸っていたのかと思うとうらやましい。先ほどの日本婦人の肖像はこの松方幸次郎の兄の息女竹子です。

松方コレクションは第二次世界大戦後にフランス軍に一旦没収されますが一部は返還され、今日、日本で目にすることが出来ます。国力の象徴は博物館や美術館に行くと顕著に感じられ、先人たちの先見性と情熱には敬服します。

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